【NikonZ8】AmazonPhotosでRAWのサムネイルが表示されず、辿り着いた答え
2023/05/29
この記事では、あたかもコロンブスがアメリカ大陸を新発見したかのようなことが書いているが、もう既にZ9が発売した当初に解決しているお話の可能性が十分にある。むしろ一般常識レベルかもしれないが、運用メモとしてここに記す。
AmazonPhotosにバックアップして驚愕
NikonZ8発売から数日、既に1500枚近くの写真を撮影した。
たくさん撮った動物やお花をまとめてバックアップしようと、いつものようにAmazonPhotosのデスクトップアプリを立ち上げる。バックアップが終わり、いつものようにAmazonPhotosをブラウザから確認して愕然とした。
なんじゃこりゃ〜!
ブラウザ一面に現れる大量の虹の画像。苦労して撮った写真たちでなく、カラフルでノイジーな虹だった。ぶっ壊れたかと血の気が引く。過去にバックアップした他のファイルは大丈夫かと画面をスクロールしていく。
よかった。
過去にZ6iiで撮影した写真たちはバッチリサムネイル表示できていた。良かった。いや良くない。私は既に写真のバックアップは物理HDDやSSDで行っていない。AmazonPhotosのみだ。ブラウザから一覧で撮影した写真をプレビューできる便利さに慣れてしまっていた。たまに見返しては、「これ現像しよう〜」と気軽にDLして使えるのもAmazonPhotosのメリットと感じている。
焦った私は、このカラフルなノイズ画像をいったんダウンロードし直した。恐る恐るLightroomClassicで展開すると、
よかった。
開けた。どうやらファイルが破損しているのではなく、AmazonPhotosが新しいRAWデータに対応していないだけか、という憶測になった。
でもやっぱりAmazonPhotosでプレビューしたい
データが破損していないにせよ、AmazonPhotosからプレビューできないのは非常に不便である。せっかく新しいカメラを使っているのに、カラフルな虹しかプレビューされないというのはつらい。
待てよ。Z8がこういう状況なら、Z9はどうなのだろう。と、TwitterやGoogleを使って検索した。やはりZ9のRAWデータがAmazonPhotosからプレビューできない、早く対応してほしいという声が見られた。Z9の発売日は2021年12月だ。もう1年以上も経っているのに、対応していないことなんてあるのだろうか。
更に調査を進める。どうやらZ9やZ8に搭載されている新しいRAW形式「高効率RAW★」「高効率RAW」はNikonが開発したものではなく(?)、他社が開発したテクノロジーであり、そこに原因があるのではないかという疑念に辿り着いた。
尚、「ロスレス圧縮RAW」は全く無圧縮な状態のRAWデータ。容量も50MB近くある。このデカいRAWを効率的に管理できるように生み出されたのが、「高効率RAW★」と「高効率RAW」形式というわけだ。高効率RAW★は35MB前後、高効率RAWは20MB前後までサイズを圧縮でき、かつほぼ同クオリティの画質を保てるという優れもの。Nikonさんにはもっとこういうところをアピールしてほしい。
色々な保存形式で試してみたよ
今回AmazonPhotosでサムネイルを表示できなかったのは、「高効率RAW★」だった。つまり特殊なテクノロジーで圧縮されたRAWデータゆえ、というわけだ。
試しに、Z8で適当な写真を「JPG」「ロスレス圧縮RAW」「高効率RAW★」「高効率RAW」の4種類で撮影。AmazonPhotosに送ってみた。
結果がこちら。
サムネイルが表示されたのは、「JPG(左上)」「ロスレス圧縮RAW(右下)」のみ。
「高効率RAW★(左下)」「高効率RAW(右上)」は例の虹だった。

まもなくサ終しそうなAmazonDriveでも一応確認。
サイズと照らし合わせていただければわかると思うが、最もサイズが大きくサムネイルが表示されているのが「ロスレス圧縮RAW」だ。
ひとまず、ロスレス圧縮RAWであれば虹画像にならないという安心感を得る。では次に、今後どのように運用していけばいいかを考えることにした。
今までの運用方法を見直す
まず、Z6iiまでの私の撮影環境・バックアップ環境から。
(1)すべてRAWで撮影
(2)撮影したRAWをMacBookにコピー
(3)Lightroom ClassicでOKカットを現像(OKはPSDに変換)
(4)ボツを含む全てのRAWと編集OKのPSDをAmazonPhotosのデスクトップアプリからバックアップ
(5)MacBoook上から全データを削除する
基本的に、以上の流れとなる。
すべてをロスレス圧縮で撮影すれば上記運用で問題ないのだが、1枚50MBもの写真を(ボツった写真も)ドカドカとクラウドにアップロードするという作業が実に手間だと感じた。
「DNG」という選択肢
ここにきて「DNG」という拡張子がおぼろげに浮かんできた。
RAWデータはRAWデータでも「DNG」形式であればAmazonPhotosのサムネイルが表示できたことを思い出す。DNGとは何か。以下Adobe公式より引用。
・現在、500種類を超えるRAWファイルが存在しており、絶えず、新しい種類が作成されているため、DNGファイルは、非常に柔軟性が高く、その将来性が考慮されています。未加工の画像をDNGファイルとしてアーカイブすると、将来もアクセスできることがわかっているため、安全です。
・DNGファイルは、RAWファイルと同じ画質を維持しながら、RAWファイルより約20%サイズが小さくなります。
・また、より短時間で処理されます。DNGを使用すると、ファストロードデータの使用により、パフォーマンスの高速化というメリットを得ることができます。これにより、標準サイズのプレビューがファイル内に保存されます。
つまり、RAW(NEF)をDNGに変換すれば、より汎用性を持った状態でAdobeのソフトでRAWデータを扱えるわけだ。
DNG変換時にRAWデータを埋め込むことができるから、一応RAWに戻すこともできるらしい。ただ、RAW→DNGに変換時した際サイズが2倍になったので全データにこれをやるかというと実用的ではない。
実際、今回「高効率RAW★」で撮影した虹色画像をDNG変換し、アップロードしたところ、AmazonPhotos上でサムネイルをばっちり表示できた。
DNGをAmazonPhotosで運用することを想定した場合、以下となる。
(1)すべて「高効率RAW★」で撮影
(2)撮影したRAWをMacBookにコピー
(3)Lightroom ClassicかDNGconverterで全カットをDNG変換→OKカットを現像
(4)ボツを含む全てのDNGと編集OKのPSDをAmazonPhotosのデスクトップアプリからバックアップ
(5)MacBoook上から全データを削除する
う〜ん。どう見ても(3)が面倒くさすぎる。それやってる暇あったら最初から「ロスレス圧縮RAW」で撮影しろやという感じだし。
あとは、手元にRAW(NEF)が残らず、DNGだけになるっていうのもちょっとイヤだ。完全に気持ちの問題だとは思うのだけど。NEFがある安心感ってやっぱりあると思うんだよね。それがDNGだけになるって、ちょっとね。
ちなみに以下はDNGconverterを使用してDNG変換するときの(自分なりの)推奨環境。非可逆圧縮をしようせず、かつ高速読み込みデータなども付与しないことでデータ容量を極力軽くしていきたい。
結論、どうするべきか
Nikon Z8やZ9でAmazonPhotosでサムネイルをプレビューさせる方法は、現状以下の2つ。
(1)「ロスレス圧縮RAW」で撮影する (データ重い)
(2)「高効率RAW」系で撮影したデータをDNG変換する (めんどくさい)
どちらもカッコ内のデメリットが実にウンチだ。だが、今回の調査でAmazonPhotosでサムネイル表示できる手段が見つかっただけでも、良しとしたい。
理想は「高効率RAW★」のままAmazonPhotosでサムネイルを表示してほしい。Amazonさんお願いしますよ〜。
No title
全く同じ機材、症状で悩んでおり、こちらのブログに辿り着きました。
やはりZ9の時からそうでしたか、、
私のMac、iPadPro、iphoneに保存→全てプレビューできず、、
もっと不満の声が大きくなってもいい気がしますが、、
早く解決してほしいですね、、