【ドラマ】沈まぬ太陽
2019/02/02
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アマゾンプライムビデオで公開されている、WOWOW版の「沈まぬ太陽」全20話を見た。1月から少しずつ見ていったのだが、まぁぶっちゃけこれのせいでハースストーンやスクフェスが相当おろそかになっていた。
感想はというと、「面白い」なんて一言で片付けられるようなものでは到底ない。こまでグッとくるドラマを見たのは始めてだと思うくらいに、感動した。
主人公は国民航空(JALがモデル)の社員。労働組合委員長を務めた恩地と、彼を取り巻く人々の描写を通して、人の生命にかかわる航空会社の社会倫理を表現した作品だ。会社の労働組合委員長として経営陣と対立した結果、カラチ・テヘラン・ナイロビと約10年に渡る左遷人事に耐えながらも、己の信念を貫き通す男の物語。家族だけでなく、周囲の人間に迷惑をかけながらも、不器用な主人公の人生が描かれている。
同期であった行天の存在が、また良い。国民航空を再建したいという強い思いがあるのだが、そのやり方がただ恩地と違っていただけなのだ。二人とも思いは同じはずなのに、どうしてこう歩む道が違ってしまったのか。それだけがなんともやるせない。
20話を通してほとんど笑顔を見せなかった恩地が、最後にアフリカの広大な大地で運転をするシーンで、満面の笑顔で車を走らせている。それと同時に、行天が狭い檻の中で恩地からの手紙を読むところで、思わず涙してしまった。ドラマで泣くなんて、おっさんになった証なのだろうか。いや、違う。これは本当に良いドラマだから涙が出たのだ。
池井戸潤氏の描く、半沢直樹的な逆転劇が最後までほぼ皆無と言っていいのが、このドラマの特徴だ。とはいえ、胸糞が悪くなるのではなく、不思議とスッキリとさせられる終わり方で、とても晴れ晴れとした気持ちになった。