
会社帰りに大手町付近を通ると、将棋フェスティバルなるものが開催されていた。
プロに挑戦できる縁台将棋で、抽選で参加できるとのこと。
ここ最近、藤井四段などがニュースで取り上げられるようになったこともあり、
空禅の将棋ブームが巻き起こっているようだ。

せっかくの機会だから、挑戦してみようと私と先輩で、抽選の列に並んだ。
僅か30分ほどで驚くほどの大行列となり、こりゃー対局できないな〜と諦めていた。

が、まさかの当選。
高浜 愛子さんという女流2級棋士と対極することになった。
ここまできて、非情にビビってしまう。
周囲を見渡すと、結構このイベントのために来場しているガチっぽい人もいる中で、
通りすがりの素人が軽いノリで対局して良いものなのか。

他の人の対局を遠目から眺めてみるも、まったく展開がわからない。
やはり私は来るべきではなかったのでは。

そして、いざ対局。4枚落ちでの勝負だ。
かなり緊張してしまい、途中で頭が真っ白になりつつも、なんとか打っていった。
女流棋士の動きが時々止まり、考え込むようなシーンもあったのだが、
きっとあれは私が意味不明すぎる手を打ったせいかもしれない。
すみません。
その意味不明な手は、やることがないからとりあえず前に進んどけって手です。
あなたがそこまで深く考えるようなものではありません。
そう心のなかで唱え、ビビりながらの対局はおよそ1時間で終了した。
結果は、私の勝ち。
だが、正確には勝たせてもらった。
どうしたら詰むことができるかや、戦術を教えてもらいながらの将棋だ。
間違いなく、真剣勝負ではない。それくらい私にだって分かる。
対局後は、私のおバカな手に対しても、ダメ出しすることなく優しくフォローいただいた。
私なんかに時間を割いてくださって、本当にありがとうございます。
軽いノリで参加してしまった自分に反省しつつ、
久しぶりに、将棋を勉強し直してみようかなと思えた。