写真の写りに満足しないクライアントを納得させる方法

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広告業界で働いている人であれば必ずしも経験したことのある、クライアントからの
『私の写真、もっと写りがいいのないですか?』という質問。

特に、既にデザインに組み込まれている写真に対して言われた場合、
構成に影響してきたりして意外とクリティカルだったりします。
そんでもってこれは、カメラマンを一発でひよらせる言葉でして、なかなか胃が痛くなる一言でもあります。
そりゃこっちだって悪気があって写りの悪い写真をセレクトしているわけではないのですが、
写っている本人がそう言うのですから、「そうかぁ」と心理的に思ってしまうんですよね。

でも、私たちだってプロという名目で仕事を依頼されているわけで、
一定の質には自信を持って撮影しているのですから、
「写真が下手ですみません…」なんてことは断固として言ってはなりません。
(本当にライティングが失敗していたり、目つぶり写真だらけだったらそりゃ謝るしかないのですが)

一定以上の撮影スキルがあり、自分でもクライアントの表情を引き出せていると思っている。
それなのに、こういったお言葉をいただいてしまった場合は、以下のような方法で納得させましょう。

自分の中でも厳選し、選りすぐりの1枚であったことを伝える

既にデザインに組み込まれた写真に対して指摘を受けた場合を想定します。

「実は自分の中でも最終的に3枚の中で悩んでいました。
結果的に、今回のコンセプトに最もマッチすると思われる○○(シチュエーション)の
写真を使用させていただきました。
念のため、3枚すべての画像をお送りいたしますので、
この中から●●(クライアント)様にお選びいただけますでしょうか」


こうすることで相手には以下のようなことが伝わります。
●プロの視点で既に厳選された1枚であったこと
●今回の広告コンセプトにマッチしているという客観的な意見

ここでのポイントは、撮影した画像をすべて送らないこと。
取って出しですべて送るという行動は「意図」がなくなってしまい、
写真セレクトの責任をクライアントに丸投げすることになります。
特に、これが広告に詳しいクライアントなんかだと、
「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」(所謂5W1H)したいのかという、
そもそものコンセプトが曖昧である印象を与えてしまい、
カメラマンのみならず、ディレクター・デザイナーへと被害が飛散することもあります。

たとえば、あなたが飲食店に訪れたときのことを思い浮かべてください。
似たようなメニューが並んでいたとき、店員さんから
「どれも全部おいしいです!」と言われるより、
「こちらがオススメです!」と意思を持って言ってもらった方が良いですよね?
つまり、そういうことなのです。

まぁこういったことをクライアントからご指摘されないためにも、
やはり撮影後にしっかり画像を見せて確認することが一番なんですけどね。
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