カメラの優先度を考える

ネタも特にないので、久しぶりにカメラネタでも書いてみます。

カメラマンだった頃は写真は仕事であり、義務(業務)であり、
そこには自由があまりなかったので、惰性で撮っていた部分もあったのかもしれません。
そんな私がカメラマンを辞めて早3年が経ちました。
最近は結婚式で写真を撮ったり、子供を撮ったりしているのですが、
当時に比べると格段に「楽しい!」「もっと撮りたい!」と思えるようになりました。

不思議ですね〜。
趣味を仕事にすると良くないとよく言われますが、
いまだからこそ、確かにその通りだなーと思います。

ISOを上げることについて

2015_1027.jpg

さて突然話は変わりますが、ISO(感度)について考えてみたいと思います。
なぜいまさらISOなのか?と思われる方も多いかと思いますので、
まずは前置きから説明させていただきます。

私が本職としていた「料理写真」では、キッチンスタジオ、
もしくはライティングのセットをしっかり組んでの現場撮影が基本だったため、
カメラの設定は絶対マニュアル。
A1ポスターなど大きく引き延ばすことも想定されているため、
少々の画質劣化も許されず、ISOの設定も「100」しかありえません。

料理写真に限らず、ほとんどのカメラマンがスタジオで撮影する場合は、
外部ストロボを操るため、やはりISO100が基本だと思います。
しかし、料理だけでなく野外でのスナップやブライダル、モデル撮影、風景写真など、
色々な撮影現場で経験を積んでいるカメラマンの話を聞くと、
ISOはころころ変えるのが普通であり、ISO100固定の方がむしろありえないとのこと。

よく考えればそりゃそうです。
料理を専門としているカメラマンなんて世の中にはごく一部ですし、
カメラの新機種発売においても「常用感度●●!」と謳われるほど、
一般的には大事な要素のひとつなのですから。

そんなこんなでISOの変更に未だにビビっている私は、結婚式の撮影でもついついISOを忘れがち。
アンダーに写ってしまった時の対処法は、ストロボの出力を上げる、
もしくは+/-補正で明るくするの2択しかありません。
決められたライティング、思い通りのシチュエーションでしか撮影してこなかった私は、
ゲリラ現場における圧倒的な経験不足から、
「ISOを上げる」というのがそもそも選択肢になかったのです(衝撃)。

なぜISOについて考えたのか

なぜ今回ISOについて考えたのかというと、
それは新しいカメラの購入にあたり、何を優先するか考えたためです。

■D800の中古
■D750の新品

以上が予算内で購入できるFX機。本当はD810が欲しいところですが、
24-70mm/2.8VRのレンズと同時購入で50万以上の出費になってしまうので、
さすがにこれは無理です。
となると、上記の2つに選択は絞られるのですが、非常に悩み中。
D800はEXPEED3で、D750はEXPEED4。
エンジンだけで比べると後者は高感度画質が非常に向上しているのですが、
なんとシンクロターミナルが付いていないのです。
つまり、外部ストロボを使用する際は、ホットシューを付けなければなりません(がっかり)。

ホットシュー(笑)とか馬鹿にしているわけではありませんが、
シンクロターミナルがついていないとどうしてもエントリー機の枠から
抜け出せていないイメージが強く、変なプライドが邪魔してなかなか購入に踏み切れないのです。

後々の売却を考えると、既に後継機が出ているD800より、
D750を購入した方が高値で売れることも予想できるのですが、
いかんせんシンクロターミナル(と、10ピンのレリーズターミナル)
がついていないというのは本当に痛すぎです。

で、「高感度での撮影(D750)」と「シンクロターミナルあり(D800)」の選択肢を
考えたとき、「そんなに高感度での撮影(高ISO設定)なんかするか?」と迷っているのです。

D750はそのネーミングからD700後継機を髣髴させるものがありますが、
実質のスペックはD610の後継機であることは揺るぎない事実。
D610も十分いいカメラだと思うのですが、
(元)プロとしてエントリー機ってどーなの?とか思ってしまうんですよね。

何を優先するかは本当にひとそれぞれです。
来月の購入までによーく考えて、決めたいと思います。
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COMMENTS

9
2015/10/31 (Sat) 02:35

No title

エントリーとプロでは仕上がりとかだいぶ違うのでしょうか(・_・
友人(写真撮る人)といっしょに行くと、同じ場所で撮っているはずなのに、その人からもらう写真が凄く綺麗なんですよね・・・
レンズとか、そもそものセンス??ってのもあるんだと思いますが、
こう、ニコンのプロ機って写りが良いのかなーと思ってしまいます。

自分のは、なんとなくですがピンぼけ気味で最近特に気になります。
ちゃんと撮って渡したいんですが、家に帰って見ると結構「あれー?」というのがあります。
ピント機能にも経年劣化とか・・・まさか。

質問ばかりですません。
フラッシュ全然使わなくって、ホットシュー知りませんでした。
勉強になります(笑

なりさこ
2015/11/05 (Thu) 22:04

No title

>>9さん
お返事遅れてすみません!
小笠原へ小旅行へ出かけていました。

>エントリーとプロでは仕上がりとかだいぶ違うのでしょうか(・_・
>友人(写真撮る人)といっしょに行くと、同じ場所で撮っているはずなのに、
>その人からもらう写真が凄く綺麗なんですよね・・・
>レンズとか、そもそものセンス??ってのもあるんだと思いますが、
>こう、ニコンのプロ機って写りが良いのかなーと思ってしまいます。

これ、よく聞かれるんですが、撮影条件が同じだった場合、
基本的にはエントリー機とプロ機ではよーく見ないと本当に分かりません。
もちろん、解像度が高いほうが純粋に鮮明に写すことはできるのですが、
同じ解像度で撮影した場合はほとんど分かりませんね。

(CANON、NIKONの差も正直そんなにないですが、
この2社は絵作りの考え方が違います。書くと長くなるのでまた別の機会に…)

あと、私のテクニックですが、ピクチャーコントロールとかカメラ内の設定を
よくいじったりします。風景写真だったらコントラストを強めにしたりと、
シチュエーションに応じて面倒臭がらずに設定を変えるのはひとつのコツかもしれません。

また、プロとエントリー機の仕上がりで大きな差があるとしたら、
「JPEGだけでの撮影(JPEG撮って出し)」と、
「RAWからの現像」で結構違いが出てきますね。
そのご友人はもしかしたら現像ソフトを使用しているのかもしれません。

あとはボディだけでなく、レンズに差が出ることも大きな原因に考えられます。
例えば単焦点50mm/f1.8で撮影した場合と、
ズームレンズで50mmに合わせて撮影した場合では、
断然前者の方が美しいボケ味を表現することができます。

背景が美しくボケる=被写体にビシっとピントがきているようにみえる

この状態を、私は「キレてる」と勝手に呼んでいます(笑)
(使用例:「この写真、朝キレッキレじゃないすか!」…等)

あとはピンぼけ気味が気になるのであれば、ピントの調節をしてみるのも手ですね。
私が購入してまずやることは、何百枚も試しに撮影して、
ピントがずれていないかを必ず確認することです。
カメラ内で一応自力で調節もできるのですが、
毎回ここで必ずプラマイ3くらいの調節は入ります。

出荷段階でガリピンがくる方が少ないと思ったほうがよいかもしれません。
9さんが何を使用されているか分かりませんが、
サポートセンターに持ち込めば無償でピント調整してくれる場合もありますので、
持ち込んでみるのも良いかもしれませんね!

あとは、使用カメラ、レンズ、絞り、シャッタースピードなども
合わせてお聞かせいただけると、とっても答えやすいです★

9
2015/11/08 (Sun) 00:51

No title

小笠原、うらやましいですわ~
とか思っているのですが、子連れ船旅って大変ですよね。
お疲れ様です(^^;)

自分が使っているのは
本体:canon60D
レンズ:EF-S18-55mm(最初にkitでついてくる)
EF-S10-22mm(遣いどころが分からず持余しています)
絞り:5、10、20
SS:20~200(20だと高確率でブレ)
現像ソフト:Digital Photo Professional(おまけ)

今年9月で丸5年頑張ってくれています。

プロ機とエントリーってそんなに変わらないんですね。
撮像ではなく、AF点やスピードなど機能面で差が出るのでしょうね。
60D、AF微調整機能がついていないし・・・(;▽;)

AF点数が少ないこととかスピードが遅いこととか(特にモニタでAFすると物凄く遅い)が問題なのか、腕の問題なのか、それともレンズががたついているのが問題なのか、悩むところが多くて困ってしまいます(´▽`;)

ピクチャーコントロールは殆ど忠実再現です。
必要ならRAWで設定するという感じで。
自分でパターン作成したりしていますが、コントラストはあげず、色を強くしたりとかです。


自分でAFをチェックするページがあったのでちょっと気になっていますが、
調節機能がないのでもともこもないですね。
http://photo-studio9.com/af_check/


色々設定を変えて試していますが綺麗に撮れないんですよね・・・(´▽`;)
くやしいのうくやしいのう。

なりさこ
2015/11/10 (Tue) 00:07

No title

>>9さん

60Dを使われていたんですね。
私も触ったことがあるカメラなのでなんとなく使用感は分かります。
(ただ、そのレンズを使用したことがないためどこまでピントに影響しているかは分かりかねます、すみません)

シャッタースピードに関しては、1/20だと高確率だとブレるとのことですが、
多分プロでもたいていの人がブレてしまうと思いますw
安全に、ブレのない撮影をしたいのであれば、1/125。妥協しても最低1/60は必須です。
また、「ピントが合っていないように見える」ということですが、この原因が実際は、
「単純にSSが足りず、ブレていた→ピントがあっていないように見えていただけ」
なんてことがあったりもします。
一度、撮影画像のメタデータを見てSSを確認してみてもと良いかもしれません。

>プロ機とエントリーってそんなに変わらないんですね。

そうですね、たとえば晴天のもと、
絞り・SS・感度もすべて同じ条件下で撮影した場合なんかは、とくに差がわかりません。
ただ、プロ機は解像度が高かったり(ポスターに引き延ばせたり)、高感度対応だったり、
仰る通りAF点やスピード、AF微調整機能が付いていたりと、
できる幅が広がることは間違いありません。
やはりピントがどうしても気になるのであれば、キヤノンサービスセンターへの持ち込みが良いですよ!

ピクチャーコントロールは忠実でしたか、私はカメラ内の設定を天候やシチュエーションに応じてコロコロ変えたり、
ホワイトバランスも主導で変えたりと、本当によくいじくりまわしています。

「綺麗に撮る」ことは私も永遠の課題だと思っていますが、これは本当に練習しかありません!
撮影枚数が増えれば増えるほど、目指すカタチにだんだん近づいていくのだと思います。
諦めず、ときには機材のせいにしつつ(笑)、根気よく撮ることが大事ですね。

9
2015/11/11 (Wed) 23:00

No title

色々と有難うございます!

1/20はきびしいですよね。
80あればとれそうです。125以上なら御の字。

快晴や薄暗いとピンボケ?のようなことが発生しています。やっぱりブレなんですかね。
あとは赤い対象や逆光ではAFがなかなか定まらないことが多いです。なぜか赤。

センサーの汚れも酷いので、ついでにピントも見てもらおうと思います。

ピクチャーコントロール、彩度やシャープネスをあげると写真が上手くなった気がしてしまってまずは忠実で撮ってます。変えたほうがいいのかな。
WBはその日に自分で設定したのを使います。山の昼では5100Kとかが多いです。

撮る際に、プロの撮影を参考にしたり構図やとり方のサイトを参考にしたほうが上達が早そうですね。
下手な鉄砲状態でなかなか思ったとおりに行かない・・・物足りなかったりボケた画ができちゃって。


そうそう。星を撮ろうと三脚もって行ったら、山に登る前に駐車場で台座が真っ二つに割れたんですよwww 安物はダメみたいです(´▽`)

なりさこ
2015/11/15 (Sun) 00:14

No title

>ピクチャーコントロール、彩度やシャープネスをあげると写真が上手くなった気がしてしまって

それでいいんです!
というか、それが「写真が上手くなる」ってことなのだと私は思いますよ!

また、色温度は最も白が白に写せるのが5000〜5500と言われていますね。
実際、私もスタジオ撮影のときはプリセットで5200ケルビンが多かったです。
山の昼で5100ケルビンはベストな選択だと思いますよ〜。

写真は日々勉強ですね。
私ももともと、「料理」という限定した分野でしかプロを語れないので、
結構プロカメラマンのサイトとか見て勉強させていただいています。
このブログでは申し訳ないことに、あまり参考になるような写真を
なかなかお見せできていないかと思いますが、参考になるようなものが撮れるようになるよう、
さらに努力してまいりますので、何卒よろしくです!



台座が真っ二つに割れたってすごいですね・・・www
三脚はカメラの1/3の値段と言われています。ケチらずにいいものを買いましょう!!

9
2015/11/17 (Tue) 00:36

No title

写真の撮り方もそうですが、カメラの知識もあまり無いのでお世話になっています~

新しくきたカメラとレンズ、すごいですね!!
手振れ必至のSSであの鮮明さというのは畏れ多い、くわばらくわばら。

人がレンズを手に入れると、自分も欲しくなっていかんですね。

その前に三脚をどうにかしないと・・・(;;˘ω˘)

なりさこ
2015/11/19 (Thu) 23:27

No title

>>9さん

このような個人ブログが少しでもお役に立てているのならとても嬉しいです・・!
ニコンの新作24-70VR、本当に脅威です。
1/2ならかなり余裕でブレません。

レンズ沼(あれもこれもとレンズを揃えたくなる衝動)
にハマると大変なので、お気をつけ下さい!!

写真の話