
前職がカメラマンということで、現在の職場でも撮影関係の業務に少し関わっています。
広告制作のディレクションをしていくうえで、プロの方々に撮影をお願いすることがあるのですが、
「撮っていた側」と、「撮影を依頼する側」では、
また大きく視点が変わってくることに気が付きました。
たとえば撮影現場でディレクションをしているとき、
『もっとこうして、こういう角度から撮ってほしい!!』
と思いつつも、カメラマンの立場になると、
『めんどくぇ注文してくんなぁ』
と、思われるんだろうなぁと予想してしまい、なかなか注文を言いにくいものがあります。
いっそのこと、写真関係の知識が一切なければ、
悪気もなく無茶な注文をズケズケと言ってしまえるのだと思います。
プロとして自分がこれまでやってきただけに、その大変さが分かるってところが、
逆に今の仕事の妨げにもなっているように感じてしまうということですね。
まぁそんなこんなで、今回はプロカメラマンが「イラッ!」とするポイントを、
自分の体験談に合わせて7つまとめてみました。
何の参考になるのか全然分かりませんが、
もしプロカメラマンと仕事をする機会がある方は、ぜひご参考までにご一読ください。
プロカメラマンの方は、「あるあるー」と共感いただけますと幸いです。
1イラ:「パシャッと撮っちゃって」と言われる
たとえば、こんな言い方。
「もうちょっと上のアングルからパシャッと撮っちゃって!」
「そっち撮り終わったら、こっちもパシャッといっちゃって!」
これ、かなりイラッとします。なんだよ、「パシャッと」って!ふざけんな!
カメラマンは、その1カットを撮影するだけでも色々なものに気を配っているのです。
ライティング、背景、撮影対象物の状態、ベストなアングルなど、
その一つひとつのコンディションを最高の状態にしなければシャッターは切りたくありません。
なぜなら、それがプロと素人の差だと自負し、プライドを持っているから。
依頼する側は、「シャッター押すだけでしょ?」なんて考えは絶対に持っていはいけないのです。
2イラ:付け焼き刃の知識を披露される
「暗い場所だからiso感度は8000くらいに設定しているのかな?」
などと、ドヤ顔で仕事中のカメラマンに話しかけてきて、自分の知識を披露したがる方が多いです。
相手が大事なクライアントだったりしたらもう大変です。
「暗い場所も何も、スタジオで撮影してストロボたいてますから感度は関係ないです」
なんて、ぶった切りたい気持ちを抑えつつも、
「まぁロケ撮とかだとそれくらいに上げることはありますねw」
とか言っちゃったりしてごまかします。大変です。
3イラ:物理的に無理なラフを見せられる
撮影現場に、ラフ画を持ってくるデザイナーがいますが、
めちゃくちゃ書き込んだ方に限って、それが物理的に撮影不可能な構図だったりします。
「手前の料理にスポットライトを当てて、
後ろで家族が食卓を囲み談笑しているシーンをボカして撮りたい」
なんて言われた日にゃあ唖然としてしまいます。
手前にスポットライト当てる=周囲は暗くするってことですよね?
でも談笑シーンは明るく撮りたいってどういうことなのねぇどういうことなの!?
4イラ:コードを踏まれる
ストロボに繋がったコードを平気で踏みつける方がいますが、
これはかなりイラポイントが高いです。
コードは断線し難いように、一応丈夫な作りになっているものの、
使用を繰り返していくうちに劣化は進んでいきます。
劣化が進んだコードを踏んだとき、それが最後の一撃になることも十分にあり得るのです。
5イラ:機材の上にモノを置かれる
狭い撮影現場などの場合、なかなかモノを置くスペースが確保できないこともあります。
そんなとき、カメラマンの所有するカメラバッグや道具箱の上に、
さりげなくモノを置く人がいます。
もうね、ぶっつんですよ。
カメラバックも道具箱も、頻繁にモノを出し入れするので、
上に置かれていると本当に邪魔なのです。
しかもこれがコーヒーとか飲み物だったらもうOUT。
二度とそんな人とは仕事をしたくないとカメラマンは思ってしまいます。
6イラ:機材の片付けを手伝われる
これは結構難しいところなのですが、片付けは手伝ってほしくないというのが本音です。
多分、ジャンルを問わず世の中のほとんどのカメラマンがそうだと思います。
(アシスタントが片付ける分には良いと思いますが、ここでは素人が手伝うことを想定)
理由は、カメラマンが独自のルールやこだわりを持っているから。
コードの巻き方、レンズのしまい方、スタンドをしまう順番などなど、
一つひとつにこだわりポイントが必ずあります。
一見、ただバッグに仕舞いこんでいるように見えるかもしれませんが、
次の現場を想定したり、メンテナンス性を重視したりと、
実に効率的に片付けられているのです。
だから、「一人で片付けするの大変そう」と思っても、
そのカメラマンのルールや片付け方、仕舞う場所を知らないのなら無理に手伝わないでください。
7イラ:機材の片付けを見つめられる
上では片付けを手伝うなとか書いているのに、次は見るなってか。
と、思われる方も多いかと思います。
これはイラッとは少し違いますが、カメラマンにとってはシンプルに嫌なんです。
たとえば自分が絵を描いているところや、
作文や手紙を書いているときに、横で人が見ていたら嫌な気持ちになりますよね?
カメラマンにとって、片付け中の姿を見つめられることは、
実はこれに匹敵するくらい嫌な気持ちになったりするのです。
まとめ
お前現役時代、どんだけイライラしてたんだよと、
多分カメラマン時代の私を知っている方が見たら思われるかと思います(笑)。
しかし、言うほどイライラしてはいなかったのでご安心ください。
あくまでも、これを何回も何回も繰り返されると、イラついてしまうという温度感です。
カメラマンもプロとして仕事でやっている以上、文句は言えません。
ただ、「次にもう一度あの人と仕事をしたいな」と思われるな、
そんなパートナーになるためには、
相手(カメラマン)のことをよく理解してあげることが、大切だということですね。