技術者不足

私がいまやっている仕事と大きく関わりがあるのですが、国内におけるIT業界の技術者不足がかなり深刻になっているようです。
経済産業省は、アジア各国でITを学ばせ、将来は日本で働いてもらおうという働きを見せているようです。日本語学校への留学、および卒業後の就職支援まで計画しているとか。

しかしIT技術者が日本で”不足”しているというより、IT業界”離れ”をしているのではないかと私は考えます。海外では高給取りでスーパーマンのような扱いを受けるプログラマーも、日本ではIT奴隷だなんて言われ蔑まれる始末。これでは、いまの若者はIT業界から離れて当然です。
■IT業界=ブラック のイメージが定着しつつある日本
近年、急速にしたスマートフォンにより、IT技術者の需要は止まるところを知りません。これまではITとは無縁だった企業ですらも、オリジナルのアプリをつくりだそうと画策する世の中です。ITで成功している一部の人たちの「うま味」だけを目にしたそんな”ITのことをよくわかってないクライアント”が大量に出てくるもんだから、技術者はたまったものではありません。
短納期、低価格、高品質といった無理難題に振り回されたエンジニアは、心身ともに疲れ果て、ボロ雑巾のように使い捨てられるー。ブラック企業に敏感な昨今の世の中だからこそ、メディアもIT業界の悪いところを取り上げます。そして必然的に業界全体にブラックなイメージが定着してしまうということです。

■スキルが十分な技術者がいない ハイスキル技術者の高齢化問題
求人を出して人が集まらないことはない。しかし、業務の内容にマッチしたスキルを持つ技術者が集まらない。そんな声をよく聞きます。
一昔の主流は、COBOLやFORTRANといった、いま流行りであるオープン系の技術と比べると陽の目を浴び難いものが中心でした。金融など生活インフラに根付いたシステムの開発を担うという、ミスの許されないものがほとんどだったのです。
そんな中、トライ&エラーを繰り返しながら、ときには実験と実践を兼ねながらの開発ができてしまうオープン系言語の投下。セキュリティ意識の甘々な自由過ぎる開発スタイルは、”オタクがちょっと頑張ればできる”程度に敷居が下がってしまったのです(私のことだ)。
誰でも少し勉強すればできる程度のものと勘違いした若者はIT業界に挑むも、全員が本当に必要なスキルを身につけているとは到底言い難い。レガシーな分野で活躍していた先人たちには及ばないと傍目から見ても感じることが多いです。しかしそんな技術者たちも高齢化が進み、引退者が続出しているという現実。

今後、自治体システムの開発など大型なものは国民総背番号制度「マイナンバー」が付与されるそうで、海外の方々との共同開発は避けて通れそうにはありません。しかし、日本人は外国の言葉を学ぶのが苦手・面倒と思う民族のようで、呼ぶだけ呼んでその後の課題が大量に出てきそうな予感しかありません。これからもIT業界の技術者不足はさらに拍車がかかりそうです。

 0

COMMENTS

ビジネス